「大学生活は時間の無駄だ」という言葉は、
SNSや一部のビジネス書でも
しばしば見かけます。
確かに、授業に身が入らず、
友人関係に疲れ、
将来の目標も見えない状態が続けば、
その時間が無意味に感じられても
不思議ではありません。
ただし、ここで一度問い直すべきなのは、
「何に時間を使ったか」ではなく、
「時間をどう使ったか」です。
大学という場は、
ただ通っているだけでは何も得られませんが、
使い方次第で
人生の土台を築ける環境でもあります。
まず事実として、大学は
「自由」と「猶予」が与えられている
貴重な時期です。
この期間に、
社会に出る前の模擬訓練として、
多様な分野を学び、
自己を試すことができます。
サークル、インターン、海外旅行、趣味、
起業、副業など、挑戦の幅が広く、
失敗のリスクが低いという意味では、
再現不可能な環境です。
また、思考力・表現力・人脈形成・課題解決力
といった“目に見えない能力”は、
大学の4年間でこそ最も深く育ちます。
これらは履歴書には書きにくくても、
社会に出たあとに本当の武器になります。
表面的な評価では測れないからこそ、
自ら意図して育てる必要があります。
一方で、授業だけに依存し、
スマホとSNSで日々を消費する生活では、
確かに無駄な4年間になります。
時間を浪費する人は「大学が悪い」のではなく、
「時間の責任を自分で持っていない」
ことに問題があります。
本質的には、大学生活とは
「自分を鍛える時間を
自分で設計できるかどうか」
の訓練です。
この構造に気づけば、
他人の価値観に流されることなく、
自分なりの意味と成果を生み出せます。
時間は等しく与えられています。
大学の時間が無駄になるか価値になるかは、
何をするかよりも
「なぜやるか」を持てるかどうかに
かかっています。