FXにおいて
「勝率が高い=優れたトレーダー」
と思われがちですが、

実際には勝率よりも
「損益率(リスクリワードレシオ)」
の方が重要視されます。

この点を理解できるかどうかが、
初心者とプロの分岐点です。

 

勝率とは、何回のトレード中で
何回勝ったかの比率です。

一方、損益率とは、
1回あたりの利益と損失の比率です。

たとえば、勝率が80%でも、
1回の勝ちで1,000円、
1回の負けで5,000円損を出していれば、
結果的にはマイナスになります。

逆に、勝率40%でも、
勝ちで1万円、負けで2,000円なら、
トータルでは大きくプラスになります。

 

つまり「勝ちやすさ」と
「勝ち幅」は別の話です。

プロが重視するのは
「トータルで利益が残る構造」であり、
1回ごとの勝敗には
あまり固執しません。

むしろ、損失を小さく抑える設計と、
伸ばせる場面でしっかり利益を取る判断こそが、
継続的な成果につながります。

 

この構造を理解せず、
勝率ばかりに注目すると、
負けたときの精神的ダメージが
大きくなり、

無意識に「負けたくない病」に
陥ります。

すると、損切りが遅れ、
含み損を膨らませてしまうなど、
逆効果の行動を招きます。

 

重要なのは、あらかじめ

・勝てるパターン
・損失を許容する条件

をルール化しておくことです。

 

トレード前に
リスクリワードが1:2以上見込める
場面だけに限定するだけで、
結果は大きく変わります。

こうした制限が、
自制心の代わりに機能する設計です。

 

また、損益率を意識すると、
「ポジションサイズの調整」や
「利確ポイントの見極め」にも
注意が向くようになります。

損失を限定し、
利益を最大化するという発想が、
無駄なトレードを減らし、
トータル効率を押し上げていきます。

 

勝率という数字に惑わされず、
「いくら勝って、いくら負けて、
最終的にどうなったか」を見ること。

それが投資における
本質的な視点です。

 

目の前の勝敗より、
全体の設計に集中する。

そこにプロの戦略思考が宿ります。